非日常日記:200730

20/7/30  日付が変わる前に、Mと電話をする。今日は湯船に入らず、シャワーにしようと思ったのは、少し経ったらまた連絡すると言われていたからだ。すぐに返事をしたかった。日付が変わる頃にシャワーを浴びて、パジャマに着替えて、パソコンの前でメッセージを待つ。シャワーを浴びている間、聞いた話をずっと反芻していた。泣きながら私の名前を呼ぶ声を聞いて、今すぐに駆けつけて抱きしめたかった。でも、県境を越えての移動さえ難しいのに、海の向こうに渡るなんてこの状況下では到底無理な話だ。20代半ば頃、シチュエーションは大いに違えども、「今すぐ会いたい」と言われて、家に着いた瞬間に号泣しながら抱きつかれたことが何度かある。壊れそうな彼女を見て、Mもよくここまで頑張ったと思った。つらいことを話すことは、その事実と向き合い、気持ちを再認識することなので傷口に塩を塗るに等しい。ピコン、とパソコンから音がして、気持ちを正しく、誠実に受け止めてもらえたことに一安心する。信頼や信用は年単位で築き上げるものだが、それを失くしてしまうのは恐ろしいほどに一瞬で、簡単だ。朝になり、気持ちを引きずったまま仕事に取り掛かる。緊急地震速報で眠気が覚める。ほぼ揺れなかったようなのでよかった。仕事中にも絶えずメッセージのやり取りがあったが、今日も会議が多くて確認をするだけで、返せない言葉たちが溜まっていく。無垢な気持ち、という言葉にギュッとなる。昼前後に母おすすめのマスク、手作りのジェノベーゼソースなどが届く。ブロッコリーを茹でて、それを入れたジェノベーゼパスタにする。少し気持ちが和らぐ。午後も会議。ロンチさせたい新サービスについて、他グループの責任者に説明して、見解を伺うというもの。好感触でよかった。明日辞める後輩への寄せ書きをしてくれ、と上司からスラックが飛んでくる。どうするかな、と考えている間に、他のメンバーがメッセージを埋めていく。私はトゲトゲしたことばかりで優しいことが何一つ書けそうにないよ、と正直に伝えると、当たり障りのないことでいいから、と言われてしまう。当たり障りのないことを書くぐらいなら書かなくてもいいのでは?と思ったけれども、なんとか書く。たった100文字前後なのに30分近く悩んでしまった。思ってもいないことを言葉にできないのだな、と初めて気がつく。つらい。定時で仕事を切り上げて、銀座へ。日時指定入場券を買っていたミッフィー展。ミッフィーは愛と生きるうえでの切なさを表現していると思う。シンプルであるがゆえに、見る人のコンディション次第でとらえ方が変わってくるところが面白い。ブルーナさんの笑顔が優しくて、そういう気持ちでミッフィーを生み出して、良い人生を歩んだのだろうとジンとなる。有名漫画家、児童文学の権威のコメントなどもあって見応えがあった。物販で図録を買おうと決めていたので、手にとる。ちょうどコースターが欲しかったので、それも。あとは姪にキーホルダーとヘアピン。帰りの電車の中で、思いを巡らせる。昨年取材した人が他媒体で記事になっていたのでそれを見たら、取材時に私が撮った写真が使われているのを見つけてしまい、もやっとした気持ちになる。私ですらこんな気持ちになるのだからとまた同じところに戻ってしまう。明日は急遽、Sと会うことにした。お互いそう思っていたのがうれしかったし、私たちにしか話せないことや理解し合えないことがあると思っている。土曜も出かける予定があるので、日曜以降は大人しくしていようと思う。九州地方は梅雨明けをしたらしい。